2011年9月22日木曜日

日本は日本は

先の震災の影響もあるし、また不況や円高のせいもあるだろうけれど、「日本はこれからどうすればいいか?」とか「このままでは日本は新興国に負けてしまう」みたいな一種の焦りのようなフレーズをよく目にする。新聞でも見るし、雑誌の表紙にも並んでたりする。

こういう日本は日本はという論調には、少し違和感を感じる。どうも日本は日本は論者は、「日本経済」というものを孤立した系として捉えすぎているようだ。

もうだいぶ前から、世界はグローバル経済になっていると言われている。グローバル経済とは何だろうか? 例えば、日本経済、アメリカ経済、中国経済などという各国の独立経済があり、これらがつながってグローバル経済が形成されているという捉え方もできる。

しかし、世界にはひとつのグローバル経済なるものがあって、どこまでが日本経済、どこまでがアメリカ経済などと分離することはできないという捉え方もできて、私はこっちのほうが現状のように感じる。

例えばAppleを考える。Appleはアメリカ国内には製造工場は持っていない。台湾にアウトソースし、世界で販売している。では、アメリカAppleはアメリカ経済の一部であって、日本Appleは日本経済の一部なのか?


経済学的には、どこの国に税金を払っているか、どこの国の人々を雇用しているかという話があるのだろうけど、観念的には、Appleはどこの国の企業でもない。これをグローバル企業と呼ぶのだろう。

そして、グローバル企業によって形成される経済をグローバル経済と呼び、これが21世紀の新しい経済なのだろう。グローバル経済というのは、従来の各国の独立経済が単につながったものとは違う。そもそも、各国の独立経済などというものは存在しないのだ。

日本企業、とくに製造業は生き残りに必死である。日立はテレビの製造を辞めてしまった。一方で、トヨタは国内の製造工場は絶対に必要だと言っている。

でもこれって、国内とか国外とか分けて考える、つまり各国の独立経済を考えてしまうから難しくなってしまうのであって、そもそも日本経済なんてものは無い、あるのはグローバル経済ただひとつと考えれば、シンプルな解決策が見つかるのではないのかなと思う。

結論が出たところで、「じゃあ、結局日本はこれからどうすればよいの?」と考えてしまうと、また独立経済のパラダイムに戻ってしまって、話は無限ループしてしまうのである。経済学って難しい。

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